コントロールオリエンタードとは、ファーストタッチの一種です。
2015年から連載のサッカー漫画「アオアシ」に出てきたことで有名になりました。しかし具体的にどういったプレーなのでしょうか。
今回はコントロールオリエンタードについて解説していきます。
3タッチでは遅い!?「トラップ+ドリブル」=コントロールオリエンタード
コントロールオリエンタードとは、ファーストタッチで次にプレーしたい方向、スペースへボールをコントロールすることです。スペイン語で「方向づけたコントロール」を意味します。
1990年代以降プレッシングが主流になり、一人一人がボールを持てる時間が少なくなりました。3タッチでは遅く、プレッシングの餌食になります。
そこでファーストタッチで「トラップ+ドリブル」で相手をかわすコントロールオリエンタードが普及していきました。これにより2タッチでプレーするのが常識となっていきます。
パスが来る前に次のプレーを考える
コントロールオリエンタードではファーストタッチでボールを動かすので、パスが来る前に次のプレーを考える必要があります。
次にどういったシュート、パス、ドリブルをするか、一連のプレーを考え、あらかじめ周りの状況を確認しておいて、それからパスを受けるのが大事です。
コントロールオリエンタードも万能ではない?ピタッと止めるトラップがカギ
ここまではコントロールオリエンタードの重要性を解説しました。しかし万能なわけではありません。
もしスペースへボールを運ぶことが分かっていれば、DFはそれを予測して奪うことができます。そして狭いスペースでは、大きくボールを動かすことができません。
こういったときは逆に足元にピタッとボールを止めるトラップが効果的です。相手との距離があるのでプレーする時間に余裕が生まれます。
そしてトラップをするときも次のプレーを考えておくことが大事です。蹴りやすい位置にトラップをすることでパスまでの時間を短くできます。
トラップの瞬間を奪われそうならどうしますか?ここでコントロールオリエンタードです。
実は15年前の漫画で紹介されていた?パスにメッセージを込めるとは
コントロール・オリエンタードは、2015年に「アオアシ」で取り上げられたことで話題になりました。しかし、実は15年前にすでに漫画に登場していたのです。
1999年に連載された「ファンタジスタ」という漫画があります。
この漫画で「パスにメッセージを込める」という説明があります。世界で活躍する選手が、言葉の違う選手とも華麗なパス回しができるのは「パスにメッセージを込めているから」というものです。
例えば味方が左側にマークを背負っているので、右足にパスを出すとします。このとき受け手は「右足にパスが来たということは、左側からマークをされている」と理解することができるのです。
さらにパスの球筋によって、マーカーが近くにいるかどうか、どの方向にファーストタッチをしてほしいかがわかるのです。
つまりコントロール・オリエンタードはパスを受ける側だけでなく、出す側も考えておく必要があるということです。
このことについては以下の記事でも説明しています。
まとめ
・コントロールオリエンタードとは、ファーストタッチでプレーしたい方向にボールをコントロールすること
・パスが来る前に次のプレーを考えておくことが大事
・パスを出す側もコントロール・オリエンタードを意識してパスを出す
日本ではコントロールオリエンタードのことをファーストタッチ、コントロール、トラップなどとよびます。トラップとコントロールオリエンタードを合わせてファーストタッチとよんだり、両方含めてトラップとよぶこともあります。
しかしこういったことばがあることを知っておけば、プレーするときに選択肢が明確になると思います。