歴代メガクラブ所属日本人選手。大卒選手に可能性はある?

歴代メガクラブ所属日本人選手 観戦

この記事では歴代メガクラブ所属日本人選手を紹介します。

また近年日本代表に増えている大卒選手に、メガクラブ加入の可能性はあるのか、年齢的に間に合うのか、他選手の移籍年齢と比較してみていきます。

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歴代メガクラブ所属日本人選手

メガクラブ、ビッグクラブとは

ビッグクラブとは、人気、実績がある強豪クラブのことです。ここでは世界的ビッグクラブ、つまり一流選手が集まるヨーロッパの強豪クラブを指します。

メガクラブは他ビッグクラブよりさらに格上のクラブのことです。

メガクラブ・・・レアル・マドリー、バイエルンなど
ビッグクラブ・・・アトレティコ・マドリー、ドルトムントなど

どこからがビッグクラブ、メガクラブかは各々の主観による部分が大きいので正確に決めることはできませんが、ここではメガクラブは、「欧州チャンピオンズリーグ複数回優勝クラブ」または「国内リーグでそれらと同等以上にリーグ優勝しているクラブ」、さらに「入団した年の前後数年にもその成績、クラブ規模を維持しているクラブ」とします。

歴代メガクラブ所属日本人選手

香川真司南野拓実伊藤洋輝長友佑都遠藤航
16(高1)ユースユースユース高校ユース
17(高2)ユースユース磐田高校ユース
18(高3)C大阪ユース/C大阪磐田高校湘南
19C大阪C大阪磐田大学湘南
20C大阪C大阪名古屋大学湘南
21C大阪ザルツブルグ磐田FC東京湘南
22C大阪/ドルトムントザルツブルグ磐田/シュトゥットガルトFC東京湘南
23ドルトムントザルツブルグシュトゥットガルトFC東京湘南
24ドルトムント/マンチェスターUザルツブルグシュトゥットガルトFC東京/チェゼーナ浦和
25マンチェスターUザルツブルグシュトゥットガルト/バイエルンインテル浦和
26マンチェスターU/ドルトムントリヴァプールインテル浦和/シント=トロイデン
27ドルトムントサウザンプトン/リヴァプールインテルシント=トロイデン/シュトゥットガルト
28ドルトムントリヴァプール/モナコインテルシュトゥットガルト
29ドルトムントモナコインテルシュトゥットガルト
30ドルトムントモナコインテルシュトゥットガルト
31ベシクタシュ/サラゴサインテルシュトゥットガルト/リヴァプール
※2024年9月現在。メガクラブビッグクラブ欧州クラブ自国クラブ。この記事では外国籍選手も含めて、4/2から翌年4/1までを同学年として表記している。年齢についても実年齢ではなく学年の意味で用いる。

メガクラブに所属した日本人選手は、長友佑都、香川真司、南野拓実、遠藤航、伊藤洋輝の5人です。(※期限付き移籍の選手、完全移籍であるが出場0試合で退団した選手、セカンドチームの選手は除く。)

香川、南野、伊藤は17、18歳でJリーグクラブに入団。21、22歳になる年齢で海外クラブへ。24~26歳時にメガクラブへ移籍しています。

比較すると長友と遠藤は海外行きが遅いです。さらに遠藤は31歳になる年齢でリヴァプールに加入しています。31歳は香川がスペイン2部・レアル・サラゴサに入団した年齢と考えるとかなり遅いでしょう。

メガクラブ加入年齢

では実際に他選手と比較した場合どうでしょうか。ここでは現在、遠藤、伊藤が所属するリヴァプール、バイエルンの選手と比較します。

■リヴァプール、バイエルン主要選手、計36名加入年齢(23-24シーズン)

加入時年齢人数
~2214
23~2616
27~6(※遠藤含む)
※主要選手:国内リーグ戦において第2GKより出場時間の多い選手(リヴァプール18名、バイエルン18名、計36名)

遠藤の31歳は、36名中最高齢でした。ハリー・ケインは30歳でバイエルンに入団しています。

こうしてみると、22歳以下の選手もかなりの割合でいることがわかります。さらにレロイ・サネのように他メガクラブから移籍してきた選手もいます。サネはマンチェスターCに21歳、バイエルンに25歳で入団しています。つまり初メガクラブ加入年齢はより若いということです。

長友のように大学経由でプロに入るのは遅いのでしょうか。

大卒選手

なぜプロではなく大学サッカー部へ?

大卒選手の中には、プロ入りオファーを断って大学サッカー部を選んだ選手もいます。なぜ、あえて大学サッカーを選ぶのでしょうか。

クラブは18、19歳の選手には即戦力としての活躍は求めていません。数年かけて育てていくことが目的です。選手からすれば、何年も試合に出られないプロの環境より、大学サッカー部のほうが成長できると考えるわけです。

22年W杯では日本代表26名中9名が大卒選手でした。

大卒から海外へ行った日本代表選手5名

武藤嘉紀伊東純也守田英正三笘薫上田綺世
21(大3)大学/FC東京大学大学大学大学/鹿島
22(大4)FC東京大学大学大学/川崎鹿島
23FC東京 /マインツ甲府川崎川崎鹿島
24マインツ川崎川崎/ユニオンSG鹿島 /サークル・ブルッヘ
25マインツ川崎ユニオンSG/ブライトンサークル・ブルッヘ
/フェイエノールト
26マインツ/ニューカッスルサンタ・クララブライトンフェイエノールト
27ニューカッスルヘンクサンタ・クララ/スポルティングブライトン
28ニューカッスル/エイバルヘンクスポルティング
29エイバル/神戸ヘンクスポルティング
30神戸ヘンク/S・ランス

ここでは武藤嘉紀、伊東純也、守田英正、三笘薫、上田綺世の5名を挙げました。

武藤、三笘、上田は特別指定選手として大学在学中にJリーグでプレーし、大卒1、2年目に海外へ移籍しています。これは長友と同じケースです。

ただ大卒でメガクラブに移籍するのは年齢的にギリギリです。仮に大卒後2年Jリーグ、2年海外クラブでプレーすると、その時点で27歳です。卒業後即海外へ行っても23歳です。

ここに大学経由することのジレンマがあります。19歳でプロになれば成長できるかわからない。しかし大学卒業後の23歳という年齢は、プロで結果を出してビッグクラブへ移籍する年齢です。

平山相太、塩貝健人のように大学2年夏に海外クラブへ移籍したケースもあります。

ユース

海外クラブのユースには入団できる?

プロ選手になるには、ユース(育成年代)から昇格する方法もあります。

しかし海外クラブの場合は難しいです。FIFAの規定により18歳未満の国外移籍は原則禁止されています。久保建英は13歳でスペインから帰国し、18歳(高3)で再び海外へ行きました。

ここでは自国クラブから直接メガクラブへ移籍した選手を見てみましょう。

ヴィニシウス(ブラジル)バルベルデ(ウルグアイ)デイヴィス(カナダ)宇佐美貴史久保建英鈴木彩艶
15(中3)ユースユースユースユースユース/FC東京U-23ユース
16(高1)ユースユースホワイトキャップスFC2ユースFC東京ユース
17(高2)フラメンゴユース/ペニャロールバンクーバー・ホワイトキャップスG大阪FC東京/横浜FMユース
18(高3)フラメンゴ/レアル・マドリーペニャロール/レアル・マドリーバンクーバー・ホワイトキャップスG大阪FC東京/マジョルカ (※レアル・マドリー)ユース
19レアル・マドリーレアル・マドリー/デポルティーボバイエルンG大阪/バイエルンマジョルカ/ビジャレアル浦和
20レアル・マドリーデポルティーボ/レアル・マドリーバイエルンバイエルン/ホッフェンハイムヘタフェ/マジョルカ浦和
21レアル・マドリーレアル・マドリーバイエルンホッフェンハイム/G大阪マジョルカ/レアル・ソシエダ浦和/シント=トロイデン
22レアル・マドリーレアル・マドリーバイエルンG大阪レアル・ソシエダシント=トロイデン/パルマ
※鈴木は21歳時にマンチェスターUからのオファーを断って、シント=トロイデンに入団しています。例外ですが、比較のため表に並べています。

ヴィニシウス、バルベルデ、デイヴィス、宇佐美、久保の5人は自国から直接メガクラブへ移籍しています。特にヴィニシウス、バルベルデ、デイヴィス、久保は18歳の誕生日をむかえてすぐの移籍期間に加入しています。

この年齢の選手は即戦力としては期待されていません。ブラジルの次世代スターとして期待されて入団したヴィニシウスですら例外ではありません。加入後はBチームでもプレーしていました。実際にリーグ戦で大活躍しはじめたのは21歳のころです。(20歳時はリーグ戦3ゴール、21歳時は17ゴール。)

メガクラブ入りがゴールではない?あえて移籍しない選手も

久保のようにメガクラブ入りするも、出場せずに退団する選手もいます。レアル・マドリー入団後、出場機会を求めていくつかのクラブへ期限付き移籍をした後、ソシエダに完全移籍しています。

それなら最初から出場機会があるクラブへ移籍することも手です。鈴木は21歳時にマンチェスターUからのオファーを断って、シント=トロイデンに入団しています。即戦力ではないということは、出場機会がないと考えられます。

若手選手を獲得する理由はお金?

クリスティアーノ・ロナウドは19歳になるシーズンにスポルティングからマンチェスターUに移籍。その後、25歳時にレアル・マドリーに移籍しました。10代のロナウドの移籍金は1224万ポンド、25歳のスーパースター・ロナウドの移籍金は8000万ポンドです。

1995年ボスマン判決、2011年ファイナンシャル・フェアプレーにより、移籍金を抑えること、移籍収支を考えることが重要になりました。若手有望選手を安値で獲得することが経営面で重要だということです。

武藤は大卒1年目(2015年)にチェルシーからのオファーを断ってマインツに移籍しています。そのころのチェルシーはアザール、オスカルを含め若手有望選手を大量に獲得しており、後にプレミアリーグMVPになるデブライネ、サラーですらあぶれる状況でした。

まとめ

・歴代メガクラブ所属日本人選手は長友佑都、香川真司、南野拓実、遠藤航、伊藤洋輝の5人。(期限付き移籍の選手、出場0試合で退団した選手などを含めると他にもいる。)

・若いうちにメガクラブ加入する選手が大半なので、大卒選手は年齢的にギリギリ

・若くして強豪クラブからのオファーがあっても、即戦力でないので出場機会がない可能性が高いのが悩みどころ

メガクラブでプレーすることは世界中のサッカー選手の憧れです。次点でメガクラブと日常的に対戦できるクラブへ移籍することでしょう。ラ・リーガ、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ出場クラブへ移籍することも夢なのではないでしょうか。

移籍期間は選手の年齢にも注目するとおもしろいでしょう。