シュートが入りやすい位置はどこ?ビエルサラインなど3つの理論で解説

ビエルサライン 戦術

サッカーで勝つためには何が必要でしょうか。テクニック、フィジカル、メンタル、戦術などいろいろな答えがあると思います。しかし根本的な話をすると、サッカーというスポーツは試合終了までにゴールを多く決めたチームの勝ちです。

「当たり前だろ」と思うかもしれませんが、この当たり前が一番大事です。ゴールをたくさん決め、相手には決めさせないことが重要です。

ではどんなシュートを撃つのがいいでしょうか。ここで動画を見てみましょう。

ゴールキーパーがペナルティエリア外へクリアしたボールをそのままオーバーヘッド。イブラヒモビッチによるスーパーゴール。

ヤバイゴールですね。こんなシュートは他に見たことはないと思います。これは2013年FIFA年間最優秀ゴール賞(プスカシュ賞)に選ばれた、元スウェーデン代表・イブラヒモビッチのゴールです。

毎試合こんなシュートを決めるのはイブラヒモビッチであっても不可能です。ゴールをたくさん決めるには、こういった難しいシュートを狙うのではなく、より入りやすいシュートを撃つことが重要になります。

では入りやすいシュートとは具体的にどういうものでしょうか。ここではシュートを撃つ位置に注目して解説していきます。

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シュートを撃つ目安となるビエルサラインとは

ビエルサとは、イングランド・リーズユナイテッド、スペイン・アスレティック・ビルバオなどを率いたアルゼンチン人監督のことです。彼は戦術マニアとして有名で、あまりのマニアぶりに「エル・ロコ(変人、狂人)」というあだ名でよばれています。

このビエルサが提唱したのがビエルサラインです。

ビエルサライン

ビエルサラインとは、ポストとゴールエリアの角を結んだラインのこと。この2本のラインの内側からシュートを撃つと入りやすいそうです。この外側からだと入る可能性は低いので、内側へボールを運んでシュートを撃つことがチームの約束事となっています。

ドイツのGK理論:どのゾーンから撃たれたか考える

ドイツは現在世界トップクラスのGKマヌエル・ノイアーや、2002年ワールドカップ準優勝に貢献したオリバー・カーンなど、世界的なGKを多数輩出するGK大国です。

そのドイツのGK理論では、ペナルティエリアをいくつかのゾーンに分け、どのゾーンからシュートを撃たれたかによって対応を変えるという理論があります。

まずは図を見てみましょう。

ドイツのゴールキーパー理論

[ゾーン1]
外側のゾーンです。シュートを撃つには角度が狭くゴールがほとんど空いていません。なのでGKは倒れたりダイビングなどのスーパーセーブは必要なく、立って対応できます。

[ゾーン2]
少し内側です。ゾーン1と比べると角度は広がりますが、ダイビングは必要ありません。

[ゾーン3]
ゴール正面です。ゴールが大きく空いていて、かなり危険なゾーンです。守る範囲がかなり広く、ここはダイビングが必要となるゾーンです。

ドイツのGKはこういった理論を元にゴールを守っています。別の見方をすると攻撃側はゾーン2、3からシュートを撃てばいいということです。上で説明したビエルサラインと近いことがわかります。

統計から考える:ゴール期待値とは

近年、「ゴール期待値」という考え方がサッカーに取り入れられています。

ゴール期待値とは、統計情報からシュートが入る確率を算出したものです。サッカーのありとあらゆる統計情報を販売している会社がいくつかあります。そのデータを用いて個人、企業問わずいろいろな人がその算出方法を考えています。

ゴール期待値の算出方法として最も単純なのが「どこからシュートを撃ったか」です。過去のデータから、どの位置から何本シュートが撃たれ、そのうち何本がゴールしたかを調べます。それを元にシュート成功率を出す方法です。ゴール期待値を用いることにより「そのシュートがどのぐらい大きなチャンスだったのか」が数字でわかるというわけです。

ネット上にはゴール期待値を公開しているサイトがいくつかあります。調べてみたところ、やはりゴール期待値が高いのはこのゾーンでした。

ゴール期待値(xG)が高いエリア

統計的にもゴール前が最もゴールが入りやすいということです。ちなみにここからのシュートでも入る確率は30%前後です。サッカーはそれほどゴールが入りにくいスポーツだということです。

実際に様々なサイトで用いられているゴール期待値はより複雑な算出方法です。シュートを撃つ位置以外にも、それがPK、ヘディング、カウンターアタックなど、どういったシュートだったのかも考慮することでより精度の高いデータになっています。気になる人は「Expected Goals」や「xG」などで検索してみてください。

まとめ

ビエルサライン、ドイツのGK理論、ゴール期待値に共通するのがペナルティエリア内のゴール正面からシュートを撃つと入りやすいことです。なのでゴールを決めるためには、パスやドリブルでここまでボールを運んでからシュートを撃つのが最も効果的だということです。

この動画はレバンドフスキのゴール集です。どのあたりからシュートを撃っているか注目してみてください。